会長挨拶

理事長に就任して

2014年1月11日に大阪にて開催された第1回日本パーソナルゲノム医療学会において、日本パーソナルゲノム医療学会理事長に選任されました。浅学菲才の身ではありますが、日本におけるパーソナルゲノム医療と学会の発展のために尽力したいと考えておりますので,会員の皆様より御指導・御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

本学会は、パーソナルゲノム医療のさらなる発展、普及を目標として、パーソナルゲノム医療に関する研究、および研究成果の普及、さらに会員相互の情報共有、社会全体との協同を図ることを目標として設立されました。現在の日本は超高齢社会を間近にひかえ、医療機関に高齢者が日々多数受診されております。これまで医療機関はおもに内科系疾患では病気が発症してから受診し、それから診療、治療が開始となっておりました。近年、健康診断や人間ドックに関する医療・行政等の関係者方々の甚大な努力の積み重ねにより、より早期に疾患発症を確認したり、生活習慣の指導等の介入が可能となってきました。一方で、近年の技術の急速な進歩により、数年前までは想像も困難であったような費用や時間のみで個人のゲノム解析が可能な時代となって参りました。そこで、このすばらしい技術を社会、医療に還元する形の一つとして、今後パーソナルゲノム医療が重要と考えられます。個人が病気のリスクを予め知り、個々に焦点をあてた予防的な生活改善を行うともに、注意すべき兆候を認識し、早期受診・早期治療につなげることで個人の幸福のみならず、成人の疾患治療に対する医療費を軽減し、小児や産科といった分野への医療費再分配から、しいてはわが国の少子化問題に対するひとつの支えになりたいとの強い思いであります。今後とも会員の皆様のご協力をお願い申し上げます。



2014年1月
理事長 根本貴祥